• Go to Menu
  • RSS

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

カラッポの空


富士山

尾根から望む富士山。
美しい姿を眺めながら頂上を目指す。

 鷹巣山避難小屋から雲取山を目指し早朝出発。陽の光が当たると一斉に緑の芽吹くにおいが立ちこめる。気持ちのいい朝だ。南側に美しい富士山、そして奥多摩の山々の稜線がくっきりと描かれ、遠くほど色が淡い。そのレイヤーの美しさに見とれる。雪をかぶった富士山が歩く僕らにずっとついてくる。
 じっくりとその一歩一歩を味わうように傾斜を登る。充実している。一つ登ってはまた眼前に山が現れ、それらは背後にいくつも重なって行く。


空

天候に恵まれ、雲一つない青空のもと歩き続ける。

 「先を見てキツくなったら、一度立ち止まって今まで来た道を振返ろ」先輩の勧めに従いその連なった山々を眺める。唖然とした。疲労で強張った身体に冷たい風が巡った。あんなにいくつも高い山がある。僕は再び足をあげた。
 雲取山の山頂にたどり着き、ひととき過ごした。しばらく経ってから休憩のため避難小屋に向かった。
 「どうやった?」先輩の声に僕は「カラッポです」と答えた。

 雲一つない青空を久しぶりに見た。遮るものは何も無い。360度、ぐるりと何も無い真っ青な空。頂上には何も無かった。僕自身もいない。ただカラッポになった。


コメントの投稿

※承認制のため、即時には反映されません。

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。