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エキサイティングラーメン その1

強烈に覚えているのは「注文の仕方」

強烈に覚えているのは「注文の仕方」

 そのラーメン屋の名前を聞いたのはもう数年前のことだ。とんこつだったか、醤油だったか、味の種類はもう忘れてしまったが、それよりも強烈に覚えているのは「注文の仕方」だ。
 ここからは人から聞いたもので、恐らく脚色もされた内容だが、面白かったので記録しておく。


三様の客

 「ラーメンひとつ」というと店の空気が変わるそうだ。秩序が乱れるという理由で。仕様がないから(恐らくそうではないと思うが)店の人も「はい、ラーメンね」と相づちを打ってはくれるものの、先に注文をスタンバイしている数人からは冷たい視線を突きつけられ、注文を完了したものからは安堵のため息が漏れ、食べ始めているものからは哀れみと蔑みのまなざしが送られるという。
 先日友人から電話がかかってきた。家人に注文方法を事前に確認しておきたいとのことらしい。僕としてはますます疑問が深まるばかりだ。
 それ以来、一人で昼時店の前を通ったとしても気軽には入れず、注文方法を聞いてから、もしくは家人と一緒に入ろうと行く機会をずっと先延ばしにしていた。


今日ついに入ってみた

今日ついに入ってみた

 今日ついに入ってみた。サラリーマンらしい先客が一人奥の席で携帯電話をいじっている。店内にはAMラジオが流れている。
 我々も席に着いた。小声で僕が「どうやって注文すんの?」と聞くと、「忘れた」と家人がつぶやいた。それでも彼女は「ラーメン」とは言わず、備え付けの「美味しんぼ/大地の赤」をぱらぱらめくり始めた。全員が無言だ。いても経ってもいられず僕も漫画をめくり始めるが頭に入ってこない。何度も閉じては水を飲んで「雨止まないね」とどうでもいい事を話しかけては、また別の漫画を取り上げる。
 店に入って黙って席に着いたまま、じりじりと時が過ぎていく。それぞれ(店主、奥さんらしき人、先客のサラリーマン、家人、僕の5人)が思い思いの時を過ごしているものの、全く僕は落ち着く事が出来ず、ひとりそわそわしていた。
 つづく。



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